いちごパンツのポートレート
そこで何かが私に囁いた…
「舞衣もハルみたいにアイス落としちゃえよ…今だったら、あのオレンジ色のアイス買って貰えるぜ!」
まるで悪魔の囁き
「ダメよ!チョコアイスを選んだのは舞衣じゃない…あなたチョコアイスが大好きでしょ?」
これは天使の囁きか?
「イヒヒ…あのオレンジ色のアイスを食べてみたいんだろ?チョコアイスなんて落としちゃえよ!」
う~~~ん確かにあのオレンジ色のアイスを食べてみたい…右手に握りしめたチョコアイスが小刻みに震える。
「舞衣…今ここでチョコアイスを落としてしまったら、もう今までのような幸せな気持ちでこのお店に来ることは出来ないわ!
オレンジ色のアイスだって美味しく感じる事もないはずよ!」
なんて説得力のある言葉なの、そんな事を思っていたら…
「おい!舞衣どうしたボーとしてアイスとけてるぞ!」
蓮にいに怪訝な表情でそう言われてハッと我に返った。
解けたアイスがコーンを伝い足元にチョコレート色の水玉模様を作っている。
「勿体無い」そう言いながらペロリと舐めたアイスはやっぱり一番大好きな味がした。