いちごパンツのポートレート
新年の挨拶の場で社長が学を息子として社員に紹介するという。
大事なお披露目の場に私も学の新妻として立ち会わなくてはならない。
急展開で物事が進んで行く……
社長とは子供の頃に学の家でお会いしたことが何度かあるだけ、
とても穏やかで優しい伯父さまだったと記憶しているけれど……
入社してからはそうそうお会い出来る方ではなかったから
遠くからその姿を拝見しただけだった。
その社長が学と入籍したことで私の義理の父になる。
これから学と一緒に社長のお宅に挨拶に伺うことになっているが……
私は学の嫁として受け入れて貰えるのか?不安で仕方ない。
「はぁーーー」
「何だよ!舞衣大きなため息ついて……」
「社長にお目に掛かるのに……気後れして気が滅入る」
そんな私の気も知らず学は飄々した涼しい顔。
「伯父は俺が舞衣を嫁にすることは前から知っているから何も心配いらない」
学はそう言って嬉しそうに笑った。