いちごパンツのポートレート
ヨニちゃんがまだ20代の頃。
結婚を前提にお付き合いしていたアメリカ人男性がいたと聞いたことがある。
彼の実家に行った際、自分が『招かれざる客』であることを感じたヨニちゃんは、
その後。彼との別れを選んだらしい。
あの別れから20年近い歳月が流れるが……
その間ヨニちゃんに恋人がいたと聞いたことはない。
いつも「一人が楽」って言っていたから…
どのような心境の変化があったのだろう?
「舞衣は私と一緒に住んだことあるから分かると思うけど…
私…神経過敏で眠りが浅いでしょ?
物音で直ぐに目が覚めるし……
ずっーと誰かと一緒に生活するなんて考えられなくて……
『一生一人で生きて行く』って思ってたんだけどね」
クスッと微笑みを漏らしながらヨニちゃんは話しを続ける。
「実はうちの病院に入院していた日本人男性を回復するまでの間家で面倒見る事になって、
まぁアメリカは医療費が高いから手術の翌日には退院なんてことも日常なんだけどさぁ……
普通に生活するにはやっぱり不便な事も多くてね。
だけど彼……
回復後も家に居付いちゃった。
彼が家に居ても全く気にならないし、寧ろ助かることも多くて
同居のままで私は構わないのに彼が『結婚しよう』って言ってくれたから
結婚することにした……」