いちごパンツのポートレート

「そこに何で怜兄が出てくるんだよ」

「私がお嫁に行けないって落ち込んでたら怜兄が……

『その時は俺が舞衣を嫁に貰ってやる』って言ってくれたの。

あの言葉嬉しかったなぁーーー

でもその後こうも言われたの……

『あっ……でも舞衣とは【チュー】できないなぁー

舞衣は蓮にそっくりだからアイツと【チュー】してる気分になりそうだし…』って

あの言葉はショックだったなぁーーー

まさに天国から地獄だよね?」

舞衣はそう言いながらクスクス笑っている。

「舞衣。怜兄と【チュー】できないのがそんなにショックだったのか?」

「ちっ違うわよ……蓮兄に似てるって言われたのがショックだったの。

……学も私と蓮兄が似てるって思う?」

「・・・・・」

(……思っているが、この場は何も言わないでおくのが正解か?)

俺の顔をジッーと見つめる舞衣のカワイイ顔がニヤリとほくそ笑むある人物と重なる。

心の中で冷汗をかき……

あの残像が消えるまで……

ただ舞衣を抱きしめるだけで我慢しようと心に決めた。

【学の切ない夜】



(おわり)




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