いちごパンツのポートレート
部屋に入って来た母はいつもの様に何も言わずに私が話し出すのを待っていてくれる

泣き声で支離滅裂な私の説明を口を挿むことなく最後まで聞いてくれて

それからこう言ってくれた

「舞衣のポシェットを勝手に持ち出したのはメミちゃんが悪いわね
でも服を貸したくなかったのならその時にちゃんと断らなかった舞衣が悪いわよ!」

と言った後に

「でも…貸さないって言い難いよね?お母さんもそうだったもの…」

笑いながらおちゃめに舌を出す母優子

おばちゃんもいつもお母さんにアレ貸してコレ貸してと母の持ち物を自分の物の様に使っていたと…私とメミちゃんのやり取りが自分と姉のやり取りとソックリで血は争えないと思っていたらしい

そして私のことを「舞衣は間違いなく私の娘だわ…」って思ったと嬉しそうに話してくれた

母の話を聞いた後は何だか胸の中に渦巻いていた嫌な物がすっかり無くなったみたいにスッキリしていた



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