短編集
雨、見上げて(仮)
まるで額縁の様な四角い窓枠。

白い靄がかかった空から、何本も透明な糸が垂れ下がってくる、一枚の絵画の様な風景。

適当な様でいてリズムのある心地良い音の束が、僕の意識を無機質な授業から遠ざける。

君は、まだ空を見上げているのだろうか。

身を打つ優しい痛みの束に、浸りながら。
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