短編集
窓際の自分の席に戻り、窓の外に目をやると、糸の本数は明らかに増えていた。

空と地面が演奏する曲も、かなりリズムを上げていた。

鳴り響く古臭いチャイムの音が、昼休みの始まりを告げる。

僕は教室のロッカーから黒い置き傘と大きめのスポーツタオルを掴むと、屋上への長く急な階段を出来るだけ速く駆け上がった。

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