短編集
「俺も、六花が好きだよ。エビフライと同じくらい」

思わず吹き出してしまった。

やっぱり男はガキなんだな。

六花、アメリカ、エビフライー

記憶の中でそれらが一つにまとまったとき、僕は目を覚ました。

帰り道、一本の桜の木に寄りかかって寝ていたようだ。

夢でない証拠に白い欠片が空から舞い落ちている。

溶け出した雪で、制服は少し濡れていた。

僕は、直ぐに家に向かって走り出した。
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