空色Loveカラー 〜心の内に秘めた恋〜
学年一のモテ男は王子様に似てる?
入学式から一ヶ月。
あたしは慣れない高校生活にもだんだんと馴染めてきた。
あの男の子は、宮水 雄李(みやみ ゆうり)
君。
あたしは、『ユーリ』と呼んでいる。
「あたしの繰明だから、触らんといて!」
「はぁ?俺の繰明だから!」
由宇ちゃんとユーリは、仲良く(?)してます。
でも………、
「二人とも、仲良いね」
そう言って笑うと、
「「そんなことない(から)っ!!」」
二人してハモる所が面白い。
ユーリは学年一のモテ男らしいです。
こないだ聞いて驚いた。
あたしには全然分からない。
まぁ、かっこいいんだけどね…笑
王子様に恋してるあたしは、二人の喧嘩を観なかったことにして、昼休みは違うクラスに行って王子様を探すのが日課になった。
でも、なかなか会えなくて………。
全学年回ったのに…収穫は0!
…卒業しちゃってんのかな?
なんて考えていると…、
「もー、雄李腹立つ」
そう言ってあたしの前の席に座る由宇ちゃん。
「あ、そー言えば。繰明は好きな人居ないの?」
「…え?」
…………でもなぁ?
笑われるのがオチだし……。
「…………うん。好きな人いる」
やっぱりはっきりとさせとかないとね!
「「えぇっ!?」」
クラス全員がコチラを振り向く。
「「私たちも聞いたい!!」」
女の子全員が集まって、あたしの話に耳を傾けてくれた。
…また、笑われちゃうかな?
なんて思って居たのに…!
話し終わると、
「ロマンチックね」
由宇ちゃんは鼻息荒く言う。
「確かに…繰明ちゃん、それで古語川だったんだ!」
「繰明ちゃん、凄いね!」
「あたしも恋したい!」
口々に感想を言ってくれる。
「………おかしくないの?いっつも笑われちゃうんだけど………」
あたしは首を捻って、皆を見る。
すると、逆に女の子全員、首を捻る。
「なんで?恋したって別に…いいじゃない?自由でしょ?」
由宇ちゃんの言葉に頷いてくれる皆。
あたしは改めてこのαクラスで良かったなぁ?
と思った。
でも……ただ一人…を除いてだ。
それは……………ユーリだ。
男子たちは
「仕方が無い」
だの
「俺らじゃ相手にならない」
とか言ってる隣で…眉間に深くシワを作っていた。
「…ユーリ?」
あたしは近寄って、そっと眉間に指先でツンツンとする。
すると…ユーリは、ハッとしてあたしに優しく微笑んだ。
……宮水悠貴さんに…似てる。
「ユーリ、なんか………変」
「へ、変っ!?ど、どこがや!」
色々とツッコミどころ満載のあたし。
「ユーリがね?…あたしの王子様に似てるんだ……優しく微笑んだ顔とか…特に」
あたしのセリフを聞いて、更に険しい表情をするユーリ。
「……?」
どうしてそんな顔するの?
「王子様じゃあらへん。俺は雄李よ?繰明にはまだ早かったかな?」
…なんて、子供扱いされる。
剥れるあたしを見て更にぐちぐちと言う。
「なんやそのふくれっ面…、そんなに俺が気に食わん?」
ニヤッと笑うユーリ。
…この顔も王子様にそっくり。
「そーやね…、ユーリには伝わらへんかな?…乙女の気持ちは…」
あたしは嫌味ったらしく言って、教室を飛び出した。
何よ何よ………!
急に…!
あたし何も悪いことしてないし!