好きな人のお母様に恋心がバレました
「………好きな人のこと、考えてて」
てへ、と笑うと、
その人はきゃあ!と可愛らしく頰を赤らめた。
「良いわねえ、青春ねえ!
まだお付き合いしていないの?」
「そんな、付き合うだなんて、そんな段階にも至ってないです!
たまにお話できるだけで嬉しくて……」
「うんうん!」
「すごく、素敵な人なんです。
先輩なんですけど、優しくて……」
「それでそれで?」
「お仕事は、縁の下の力持ちっていうか、
自分の仕事をきちんとこなすだけじゃなくて、周りの進捗具合も気にかけてるというか」
「しっかりしてるのねえ」
「あと、その人、あまり女の人とは喋らないんですけど、
自惚れかもですけど、私とはわりと普通に話してくれて」
「きゃあー!」
「期待、しちゃうんですー!!」
「期待しちゃえしちゃえー!!」