好きな人のお母様に恋心がバレました


とまあ、聞き上手というかテンションが同じというか
その人と私はなんだかすこぶる盛り上がった。



年の差を物ともせずはしゃいだ後でロビーに着く。



「どこの部署に用事があるとかあれば受付に仰って下さい」



「あ、それは大丈夫よ。
今メールしたらロビーで待っててって言われたから」



その台詞に、待ち合わせだったことに気付く。



「もしかして旦那様ですか?」



すると彼女はふふ、と笑う。



「いいえ、息子よ」



え、息子さんが会社員!?
じゃあ一体あなた何歳ですか!!!



若く見えたけど意外と上なのだろうか。
女って怖い。



まじまじと見つめていると、
不意に彼女は何かに気付いたらしく、私の後ろの方を見て手を挙げた。



「静樹(しずき)!」



え、と
慌てて後方を振り向いた。



「母さん!」



そこには小走りで近付いてくるーー朝霞先輩。



…………ん?



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