好きな人のお母様に恋心がバレました


「あ、悪い。
じゃあ、俺まだ仕事あるからもう行くよ。7時までには実家に帰るから。
……宮戸さんも、お疲れ様。今日は本当に母がごめんね」



「いえ、そんな。
先輩もお仕事頑張って下さいね」



「うん、じゃあね」



はにかむように笑って、
先輩はまた小走りで去っていった。



……ああ、駄目だキュンキュンする。
あのはにかんだ顔は、ずるい。



図らずも
うへへ、と一人でにやけてしまう。



しかし視線を感じてハッとする。
急いで顔を引き締めるも時すでに遅し。



そろりと視線を感じた先には、朝霞先輩のお母様。
考えたくはないけど何故かニヤニヤしている。
そして口を開いて言われた言葉に私は絶句することになる。



「ねえ、もしかして、
貴女の好きなひとって……静樹?」



(…………死にたい)




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