好きな人のお母様に恋心がバレました
変態チックだなあ、と我ながら呆れてしまう。
でも私自身も昔から香水が好きで、自分でも色々試しているから、これは変態なんじゃなくて興味の範疇よ、と言い聞かせてみる。
振り向くともう朝霞先輩は自分のデスクに戻っていて、ここからだと頭の部分しか見えなかった。
ふわふわと柔らかそうな髪の毛、
しかし長い前髪のせいで彼の瞳が本当はとても魅惑的だなんて誰も気付いてないんだろうな。
そう思うと気分が良かった。
誰も知らない、私だけが知ってるヒミツ。
ふふ、とほころぶように唇に笑みを刻んで
私はコピー室へと足を向けた。