好きな人のお母様に恋心がバレました
『へえ、……意外』
目の前の先輩はそう言って前髪に隠れた双眸を丸くした。
――生まれてこのかた23年、彼氏いたことないんです。
そんな私の大暴露大会は、去年の忘年会の二次会、クジでとなりの席になった朝霞先輩とふたりきりで開催された。
二次会ということもあり、一次会よりもはるかに騒がしい喧騒の中、どうしてそんな話になったのか。
お酒ってすごい、と私はひとり唸る。
いままで業務以外ではほとんど話したことのない1つ上の先輩と、こんな込み入った話までできちゃうなんて。
『女子高、女子大って進学したから出会いがなかった……ってこれ言い訳になりますかね』
『ああ、そういえば大学、女子大だっけ』
『はい。かわいい子、多いんですけどね。
出会いなんて合コンでもしない限り無いし、他大学のサークル入る気力も無い子が多くて、私もそれに甘んじてたらいつの間にかこんな歳になってたってオチです』