好きな人のお母様に恋心がバレました
そのまま慌てたように小走りで部長のところに向かっていく朝霞先輩。
その背中を見送りながら、私はみるみる顔に熱が集まっていく。
初めて、先輩に触れた。
しかも先輩が……女子社員を常に半径3m以内に入れない朝霞先輩が!!!
御自ら私に頭ポンポンしてくれただと!!!
「ん?なんだろうこんなとこにゆでダコ一匹」
すれ違いざまに自称姉御肌のアラサー女子須藤先輩にほっぺをムニムニされるまで私は呆然とそこに突っ立っていたのだった。
仕事の合間にそっと携帯をもう一度開く。
最後まで読み進めると、そこには
『ーーじゃあ、また連絡するわね!
ちなみに、静樹が一番好きなものは手作りクッキーよ!レシピはコレ↓』
ついで添付されたスクショを舐め回すように見つめて、
よし今日は帰りに材料買って帰るぞ!と一人気合を入れたのだった。