好きな人のお母様に恋心がバレました
確かにはたから見たらそう見えるのかもしれないけれど、いざ言われてみると恥ずかしくて死にそうだ。
泣きそうになりながら心の中で朝霞先輩に謝り倒す。
(私なんかが!!彼女に勘違いされるとか!!
なんか!すみません!!!)
キョトンとこちらを見る少女に慌てて私たちは弁解を始める。
「いや!違う違う!この方は宮戸さんって言って会社の同僚で…!!
今日はたまたまそこで会って一緒に映画見ただけで!」
「そ、そうですそうですっ!
朝霞先輩はいつもお世話になってる先輩で、
私なんかが先輩の彼女だなんてそんなそんなおこがましいです!」
「え、いや、宮戸さんこそ俺にはもったいないけど……」
「えっ、や、やめてください。そんな…」
「なんだか見てるこっちが恥ずかしいんだけど」
瑞樹ちゃんの視線に耐えかねて、そろそろここら辺で先輩に別れを切り出したほうがいいのかもしれないと思い直す。
うん、今日は随分頑張ったよ、あたし!