好きな人のお母様に恋心がバレました



「妬いてるというか……、いや、妬いてるんですかね。
私はあんなに朝霞先輩に触れることが出来ないから」



って、私は先輩のお母様に一体全体何を言っているんだ。
1秒遅れで真っ赤になっていく私に、早百合さんはニヤッと楽しそうに笑う。



「私、ほんと依ちゃんのそういう素直なところ好きよ〜?」



「う、うわああああ!
恥ずかしい!すいません忘れてください後生ですからっ」



「ふふっ、でもまあ安心して、女豹さんがどんな人かは知らないけれど私は絶対宮戸推しでいくからねっ」



そうしてグッとガッツポーズされるも、そんなアイドルの誰推し的なノリで言われましても……とガックリ私はうな垂れた。



「…ってそういえば今日はその女豹のための歓迎会なんですよ」



週末総務部でやることになった歓迎会は結局今日の業務後である。
結局会社の近くのいつもお世話になっている飲み屋さんでやることになったのだけれど、女豹が酔った勢いで朝霞先輩に色々仕出かすのではないかとーーそんな風に思ってしまうのは女豹にも失礼だろうか。



「あらっ、飲み会?じゃあ可愛くしていかないとね!」



「え?」



< 67 / 99 >

この作品をシェア

pagetop