君、想い。

「おっ、来たみたいだ。いくぞ杏珠！」


「え、う、うん！」


校門前に止まった白いリムジンに帰る途中の生徒のほとんどの目が釘づけになる中、


私は鈴に引っ張られて無理やりリムジンに乗せられる。


二人とも乗ると、勝手にドアが閉まり、リムジンは走り出した。


リムジンの中は、広かった。


とにかく広かった。


こんなのに乗ることが初めてで、私は夢を見てるみたいだった。


ふと、私の住んでいるマンションの場所を教えてないことを思いだし、窓の外をみてみれば、


マンションとはあきらかに逆方向にリムジンは走り出していた。


「り、鈴、あのさ、あたしの住んでるとことあきらかに逆方向なんですけど汗」


そう鈴に言うと鈴は、あ、そういえば。という顔をした。


「おまえの住んでるとこ聞くの忘れてた。てか、このまま俺の家に連れて帰る勢いだったわ」



そういいながら驚いた顔をする鈴。


そんな鈴をみてついつい笑ってしまった。


「連れて帰るって、鈴、意外とぬけてるところもあるんだね」


少しだけ鈴をかわいいとか、思ってしまった。


私が笑ってるのを見て少し照れる鈴もおもしろい。


「あ、あのよ杏珠、よかったら今日、俺の家に泊まってかねえか？」


「え？んーでも、、」


てか、泊まりって、なんか、イケないことのような気がする。


なんでだろ？