君、想い。
『おかえりなさい!わか!』


広い敷地を少し歩いて水橋家の玄関前に到着するとそこには


いかにもやくざです!という感じのおじさん、おにいさん方が並んでいて、


皆黒いスーツにサングラスをかけていた。


まさか本当にこんな光景が見れると思ってなかった私は普通に


「おう」


と返事してる鈴にもひいてしまった。


「わか、龍様がすぐにくるようにと!」


ずらりと並んだ人の中の一人が鈴に伝える。


鈴は少しだけ、眉をひそめる。


「わかった。すぐ行く。」


龍さまって、だれなんだろう?


そんな疑問が私の頭にうかぶ。


「杏珠も一緒にいくぞ」


「うん」


とりあえずは鈴についていくことにする。


だけど、龍さまが誰なのか気になる。


「鈴、龍さまって、だれ?」


「俺の親父だよ。」


「親父って、もしかして、水橋組の、」


「そう。組長だ。そんなに緊張しなくていいからな?組長とか関係なく俺のただの親父だ」


私がおびえてるように見えたのか、鈴は私の頭をぽんぽんと軽くしながら笑った。


別におびえてなんかないのに、


鈴はすごく心配性。
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