TWIN
目覚め
「パ…パ。行かないで。パパ。パパ―」
ビクンッ。
…ど…こ。ここ…?なんだか永い眠りから醒めたみたい。頭が重い。
ユイはベッドから身体を起こし、部屋を見渡した。
あれ。ここ私の部屋じゃない。どこ?パパの研究所?
今いる部屋は自分の部屋ではなかった。閑散とした病室のような部屋だった。以前遊び場にしていたパパの研究所に似ていた。
「えっ?」
ユイは自分の姿を映した鏡を見て驚いた。
「何で?こんなに髪が長いの…?」
ユイの髪は踵を越えるほどの長さになっていた。
どうして?肩ぐらいだったのに。
「お目覚めかい?眠り姫」
その声で我に返り、声のした方を向く。そこには25.6歳ぐらいの青年が腕組みをしながら扉にもたれかかるように立っていた。
「私はアラン。君の管理人だ」
ユイの方に近付きながら青年は名乗った。
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