背徳の薔薇
*
平日の昼下がり。
ホテルの一室に入ったとたん、千夏は僕の首に腕を絡ませ口づけを迫ってきた。
かすかに微笑み、そっと触れるだけのキスをすると、それだけではもの足りないというふうに、切なげな瞳で僕を見上げる。
僕は千夏をぐいと引き寄せ、深いキスを何度も繰り返した。
そのまま、小さな部屋の真ん中に陣取っているダブルベッドになだれ込み、千夏を見下ろす。
「潤が欲しい」
千夏のかすれた声に、胸が熱くなる。
「好きだよ」
そう耳元で囁き、千夏の長い髪を指でそっととかす。
そして、彼女の身体中にキスを落とし、欲しいままにただただお互いを求めあった。
< 1 / 7 >