肉球で一歩 踏みしめて。【短編】
旅立ち

子猫たちには飼い主がいなかった。

でも、生まれた時からお世話をしてくれる男の子がいた。
名前も、家も知らないけれど、とても優しい男の子だった。


でも、最近になって子猫たちの前に姿を見せなくなっていた。


はじめは『風邪でもひいたのかな』などと思っていたが、4日、5日とたつうちに、みんな心配になってきた。


『どうしたんだろう』


『ぼくたちのこと、忘れちゃったのかな…』


『心配だなぁ…』

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