肉球で一歩 踏みしめて。【短編】


ふいに、トラックの横でタバコをふかしていた男がミミの方を振り向いた。


そして、ニヤリと怪しく笑った。


タバコを投げ捨て、足で踏みつけると大きな網を手に取り、じりじりとミミの方へ近づいて来た。

ミミは無我夢中で逃げた。周りが見えないほど一生懸命に、一生分の体力の半分を使い果たすくらいに。


その時…
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