ぽっちゃりちゃんとイケメンくん
私と瀬奈も教室に向かう。
ちなみに、貝塚くんとは同じクラス。
席は…近い。ていうか、隣だ。
「なぁなぁ、ほんとに痩せんのか?」
ちょっとにやけている貝塚くんに対して私は、
「うん」
そっけなく、けれど勝ち誇ったように答えた。
「んだよ…そのままでも充分可愛いのによ…」
貝塚くんは自分の髪をくしゃっとしてほっぽを向いた。
「なにか言った?」
「なんでもねーよっ!!」
貝塚くんの耳が赤くなっていることに、私は気付かなかった。