泣虫女 と 毒舌男

みかんのこの言葉を聞いていた水上は、私を見下すように小さく笑った。


その姿に少しだけイラッとしたものの、触れないでおいた。


「でもさっきの発言でわかったよ。

蜜菜、恋した男のこと、考えてたんだね~」


冷やかし入りでみかんに言われると、当の本人は呑気に弁当箱をしまっていた。


「へぇ~
蜜菜ちゃんってそんなことするんだ~。

何だか意外だな~」


横から槌田くんが意見する。


「も、もう・・・

二人してやめてよ~」


私は二人の振る舞いに困る。


水上に関しては触れないことにしている。


「さぁ!! 片付け終わったんだから、そろそろ教室に戻ろう!!」


みかんの様子を伺って、私は提案した。


< 108 / 125 >

この作品をシェア

pagetop