泣虫女 と 毒舌男

ここが人通りの少ない所でよかった、って安心する。



そしてドアの鍵の存在に気づく.



鍵をかけるため、ドアを開くのを防ぐ力が緩まる。



そんな隙をついたのか水上の力に負け、見事に私のいる資料室が開いてしまった。



「ああ…」


残念な声が漏れる。




「おまえは俺を楽しませてくれるな~」



と言うと水上は資料室に入る.



それにつられて私は2歩、後ずさる。



水上が資料室のドアを閉める。



私の頭に走る緊張感。




「おまえ、俺がどんだけクソ女を探したかわかってんのか?」



コイツの探してる人が誰だかわかる。



だけど敢えて私は、自分のことのように振る舞わない。



そして先生からの頼み事を済ますことにする.




「で?そのクソ女さんは見つかったんですか~?」



< 23 / 125 >

この作品をシェア

pagetop