泣虫女 と 毒舌男

水上に涙を見せたら、私は負ける。




だから必死に抑えている。




今まで水上のせいで泣きそうになった出来事と言えば…



ただパシリとしてこき使われいることだけだった。




初めて私をあんな風に貶した。



これからのことを考えると、本当に恐ろしい.





「ほらっ!!」



6月の半ばの今。



私は気候のことを少し考えて、冷たい飲み物を与えた。



まぁ温かい飲み物は、数が知れてるけどね。




「ふっ.やっと持ってきたな。



今度はもっと早くもってこいよ」




投げて渡した缶ジュースを、嬉しそうに私に文句を言う水上。




せめてお礼くらい言いなさいよ。




とは思うけど、口にしない。




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