泣虫女 と 毒舌男
「何よ?」
私の聞く体制が整ったのを見た水上は、一歩前に私に近づいた。
そして深呼吸をした。
な・・に、コイツ。
今までとは全然違うじゃん。
「俺のことをあんたって呼ぶんじゃねぇよ。
クソ女は俺の家来だ。
家来が俺にあんたって…おまえはそんなに偉くはない。
それに今俺のことをバカって言ったな。
ブスアホクソ女が俺にそんなこと言っていいと思ってんのか?!」
…少しでもちゃんとした心の準備をしようとした私がばかだった。
「いいじゃん別に。
私は水上の家来になった覚えはないし。
それに水上は私のことをさんざん蔑んでる。