泣虫女 と 毒舌男

<回想>



時を遡らせて、高校2年生になり立ての頃。





「お前、名前は?」




1人で廊下を歩いていたら、突然誰かに話しかけられた。



知らない人に名前を軽々教えるのは、腑に落ちないけどここは学校だ。




仕方なく教えることにした。




「如月蜜奈です」




「そっか。



じゃあ、早速で悪いけど、これお前のクラスの渡辺に渡しといてくれ」




と言うと、相手は私の元を去っていった。




この時点で相手の名前なんて知らない。




とにかく頼み事なんだから受け入れないと、と思って相手の言うことを聞くことにした。




これが初対面。




これからアイツにこき使われるなんて、夢にも思わなかった。




< 6 / 125 >

この作品をシェア

pagetop