泣虫女 と 毒舌男
私に迫んないで!!
さいっしょからあてにしたくなかったのに、もっとあてにしたくない状態にしてしまった。
本当に面倒だ。
私はなるべく水上に距離を取ろうと思い、走った。
だけど私の運動神経は彼より劣っている。
だからすぐに追いつかれた。
「召使いが主人に暴力を振るうなんてなぁ。
お仕置きしてやる」
なんて言われて、私が持っていたカバンをするっと水上の手に渡ってしまった。
かと思ったら地面に置かれた。
そして頭に右手を回された。
一瞬の出来事だった。
この行動を即座にできるなんて・・・
さすが女ったらし。
もう強制的に水上の顔を見るように仕向けられている。