泣虫女 と 毒舌男
私の顎を左手で持つ水上。
顔を反らせようにも、水上の力が強くて反らせない。
何よ?
またキスでもするつもり?
冗談じゃないよ。
「…やめた」
と水上は言うと、私から離れた。
その途端私はふぅ、とため息をついた。
そして水上に放られたカバンを取ろうとしたら…
なんとあの水上が拾い上げてくれて、私に丁寧に渡してくれた。
なんで?
「ほら」
なかなか受け取らない私に、水上は言う.
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