泣虫女 と 毒舌男
恋の予感
一瞬で私の心が矢に射抜かれた気がした.
カマを受け取った彼は、それを使い草を取り除いている.
ガッガッと草を取り除く音が聞こえて、ますます彼がかっこよく見える.
何か話しかけたいと思った.
だけど、言葉が見つからない.
「どうしたの?
いつまでそこにいて」
もう用のない人がいたら、迷惑なのか・・・.
「いいぇ・・・
慣れた手つきで作業してるから、スゴいなぁって思って…
ついつい見てしまってました」
しまった….
何か返事をしなければと思って、ついこんな正直なことを言ってしまった….
「そっか。
まぁ別にそんな感じで見られてるんなら、悪い気はしないから」
時々私を見ながら話してくれる姿勢に、ますます心が動かされる。
「もう今日はこの辺でいいかな」
少しすると、そう言って彼は立ち上がった。