10年後、あなたの隣に誰がいますか?
「おい、佑愛!いい加減にしろよ!」
 家に帰ってきて、いきなりお兄ちゃんに怒られた。
「佑斗は、善意でお前に勉強教えに来てるんだぞ!学校の授業だってあるのに!分かってんの?」
 分かってるに決まってんじゃん!
 だけど、佑斗おにいちゃんは…
 あたしに勉強を教えるためじゃないはずだよ…
 絶対…
「ま、俺が怒る資格はないか…」

 ピンポーン

 いつも通りの時間に、佑斗おにいちゃんは、やってきた。
「佑愛ちゃん?来たよー!」
 マイペースな奴だ!
 あたしは、あんたのせいでイライラしてんのに…
「なぁ、佑愛。俺の事、避けてないか?」
 いきなり、顔が近づいたかと思ったら、こんな質問をしてきた。
「そんなことないですけど?」
 イラつきながら、ベットの上から言った。
「ふぅーん。ほんとは、学校で女子に囲まれてるのを見て、やきもち焼いてるかと思ったー」
 この言葉に、何も言えなくなってしまった。
「あっ、図星!?そうなんだー!じゃあ、ほかの生徒にしないことしてあげようか?」
 えっ、何言ってんの。
 この先生、頭いってるでしょ?
「ほかの生徒にしないことって、何ですか?」
 佑斗おにいちゃんは、にやっと笑った。
 そして、さらに近づいてきて、おでこにキスをしてきた。

「付き合っちゃおうか!」

 えっ?
 本気なの?
 あたしは、10年間佑斗おにいちゃんが好きだったから、いろんな人からの告白を断ってきた。
 でも、今の佑斗おにいちゃんとの関係は、教師と生徒だよ?
 そんな事して、大丈夫なの?
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