10年後、あなたの隣に誰がいますか?
「あのさー、なんでこんな問題もわかんないの?」
 そんなこと言われても、解けないんです!
「いや、だってこれ高1の問題だし…解けないほうがおかしいから…」
 あきれられた…
 いや、でもこれはあたしのせいじゃないし…

 佑斗おにいちゃんが、あたしの部屋で勉強を教え始めて、1時間。
 ほとんど問題が進んでいないのが、現状だった。
 佑斗おにいちゃんはというと、飽きれてます…
 でもこれは、あたしのせいにされても…
「よし、決めた!」
 と言って、いきなり立ち上がった。
「決めたって何をですか?」
 あたしが聞くと、ニヤと笑いこう言った。


「俺が、佑愛ちゃんの家庭教師もしてあげよう!」


 はっ?
 いや、おかしいでしょ!
 教師がわざわざ自分の友達の妹の家庭教師をするって、聞いたことないし!
 てか、自分の生徒だよ?
「男に二言はないっていうし、暇だからいいよ!てか、佑愛ちゃんのこともっと知りたいし!」
 いや、このセリフ普通好きな人に言うじゃん!
「先生、いいですよ…お兄ちゃんいるし…」
「いや、雅哉は役に立たないでしょ。あいつ」
 自分の友達、あいつ呼ばわりだし。
 しかも役に立たないって…
 お兄ちゃん、印象悪!


「そんなわけで、佑愛ちゃん。これからよろしくね!」
 笑顔で言う村岡佑斗おにいちゃんを、苦笑いで見るしかなかった…
< 8 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop