あたしはきっと君が好き
―2年後―

あたしは六歳になった。
桜も知ってる。あたしは、お婆ちゃんにとって孫だ、ということも知ってる。
ほとんどの常識。生きていく中での最重要な、日本語の単語を知っている六歳。

あたしね、今日から学校に通うの。

小さな足を必死に動かして、あたしは遅刻を免れた。ママの手を握りしめながら、これからどんな生活が待っているのだろう?と。好奇心いっぱいで、学校の門をくぐった。

あたしはまだ、不安、を知らない。
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