雨の日、キミに。
「あ、」
思わず声を出してしまった。
「工藤も今から帰るのか?」
何も言わずコクっと頭を動かす。
「よかったら、入れてってもらえないかな?ごめんな」
嬉しい!!
「う、うん」
顔がぼっと熱くなった。
きっと顔が赤くなってるんだろな。
「・・ごめん、やっぱ走って帰るな!!また明日!」
え・・
木ノ原くんは雨の中走っていった。
私は何だか何とも言えない気持ちになった。
ちゃんとはっきり返事しないから嫌だって思わせちゃったのかな?
このまんまの自分はやっぱりやだ・・
どうしたらちゃんとはっきり話せるだろうって考えながら歩いた。
「ニャー」
横の方から猫の鳴き声が聞こえた。