キスと彼女の身長差


「いや、あのさ。理想なんて気にしなくていいじゃん。
…それに俺、このくらい身長差あるくらいなのがけっこう…。」



【萌える】という言葉は飲み込んで、凛々子の頭に手を置いた。



それでもまだ、少し不満が残るのか。
凛々子は叩くのはやめたけども、俺の服の裾を掴みながら。



「…だってさ、寿くんデカすぎて、あたしいっつも上向かなきゃいけないし。」


「うんうん。」



「歩幅広すぎて、合わないし。
…さりげなく合わせてくれるけど。」


「…うんうん。」



「ぎゅっとされたら、超いい匂いの寿くんで前見えないし。」


「……うん。」





「キスするときも「うん、もうわかった。どうもありがとう。」



…途中から不満じゃなくて、すっごい褒められてるんだけど。

なにこれ、キュン死ぬ。



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