ダメ男依存症候群 EXTRA
その後、あたしが作ったご飯を二人で食べた。
彼が和食が好きって言ったから、オーソドックスだけど肉じゃがを作った。
それを美味しいって言ってくれて、すごく幸せだった。
……シュンは窓辺で寝そべったままの姿勢でピクとも動かなかったけど、そのままにしておいた。
甘やかすと調子に乗るから。
さっき彼に失礼なことしたバツなんだから。
あたしと彼は、他愛無い話をしながらご飯を済ませて、晩酌をして、気付いたら十時前になっていた。
「あ、お風呂……沸かすの忘れてた」
あたしはハッと思い出して立ち上がろうとした。
「ああ、いいよ、シャワーだけで。今からだったら遅くなるだろ?」
「でも……」
あたしが言い返そうとすると、彼があたしの手をそっと握った。
「ゆっくりしてたら時間がもったいないだろ?」
微笑みながら彼が言った。
その表情と言葉に、あたしは胸を射抜かれた。
「二人で入るっていうんなら話は別だけど」
「やだ、恥ずかしい」
いじわるなことを言われてあたしの顔が熱くなる。
「冗談だよ……まあ、今回は」
クスッと笑って彼が言った。
彼って、こんなこと言う人だったけ。
いつもと違う彼の一面にあたしはドキドキした。
「じゃあ、奈津美、先にいってこいよ」
「ううん。あたし、ここ片付けてからでいいから……お先にどうぞ」
「そっか。じゃあ先に浴びてくるわ」
「うん。タオルとか、バスルームにおいてあるから」
「わかった。ありがとう」