ダメ男依存症候群 EXTRA
バスルームに消えていく彼の背中を見ながら、あたしは恥ずかしいような、照れ臭いような気持ちになった。
今まではずっと外でご飯を食べにいったり、飲みに行ったりするだけだった。
彼はすごく紳士的にしてくれて、本当に大人の男の人って感じだったけど……
何だか今日の彼はもっと色気があるというか……違う意味ですごく男らしかった。
いつもと違う彼の一面を見れて、ドキドキして、とても嬉しかった。
これからもっと、あたしの知らない彼のことを知っていけるのかな。
そう思うととても楽しみだった。
……ブーン……ブーン
静かな部屋の中でバイブの音がして、あたしは思わず肩を震わせた。
携帯……? あたしの、じゃない。
ベッドの脇に置いているあたしの携帯は、静かなままだった。
ってことは、彼の?
あたしは音の元を探すように部屋を見回す。
壁際に置かれた彼の鞄に目がいき、恐らくそこからしてるのだろうと検討をつけた。
バイブの音はまだ鳴り止まない。電話だろうか。
そう思っていたら、音がやんだ。
あたしはそれはそれで気にすることなく、食器を持って台所に行った。
流しに一回食器置いて、またリビング戻った。
ブーン……ブーン……
また鳴ってる……
……何か急用なのかな。
彼に言うべき?
でも、彼は今シャワー中でだし……今言いに言ったら裸の彼が……
って、そういう問題じゃなくて!
頭の中に浮かんだ考えを振り払うようにあたしは頭を左右に振る。
別に後でもいいわよね。
彼もすぐ出てくるだろうし。出てきてから伝えたらいいよね。
そう思って、残りの食器をまとめて台所に行こうとした。
その時だった。
ドサッ
何かが倒れるような、物音がした。
何かと思って振り返った瞬間、あたしは目を丸くした。