ダメ男依存症候群 EXTRA
あたしは目を開けて、身体を起こした。
視界にシュンの姿はなく、あたしはベッドのすぐ下を覗き込んだ。
すると、シュンがそこに丸くなって寝そべっていた。
あたしは手を伸ばし、シュンの頭を撫でた。
シュンはピクッと反応して頭を上げた。
「シュン、おいで」
そう言うと、シュンは立ち上がって小さく尻尾を振った。
ベッドの半分に寄って、半分をシュンに空ける。
そこにシュンが前足をかけ、飛び乗ってくる。
あたしが横になると、シュンも隣に寝そべった。
「……ごめんね、シュン」
そう言って、シュンの頭を撫でた。
「シュンは分かってたのかな……」
シュンは、あいつがあんな奴だってこと、分かってたのかな。
だから、最初からシュンはあいつにひどい対応してたのかな。
あいつの携帯にも、気付いてたのかな。
もし……もし、シュンが居なかったら、あたしは、もっともっと傷ついてたかもしれない。
それに、傷ついても、一人でいたかもしれない。
「……ごめんね……。ひどいこと言っちゃって……いっぱい怒って、ごめんね」
また涙が流れてきた。
周りが見えてなかった自分が恥ずかしい。
シュンは、犬だし、ペットだけど……あたしにとっては、家族で、大事な存在なのに。
それすらも忘れていた。
目の前のことしか見ていなくて、自分のことにしか考えていなくて、だから、ろくな男に出会えないんだ。