ダメ男依存症候群 EXTRA
「本当バカだよね、あたし……」
自嘲気味に呟いた。
シュンに言ったって、分かるはずもないのに。
すると、シュンは鼻先をあたしの顔に寄せて、ぺろりとあたしの頬を舐めた。
一度舐めると、今度はペロペロと繰り返し舐めてくる。
まるで、涙を拭ってくれているみたいだった。
「……励ましてくれてるの?」
そうやって聞いても、もちろん返事はないけれど、シュンは涙で濡れたところを繰り返し舐め続ける。
「……ありがとう」
あたしはシュンの頭を撫でた。
シュンは舐めるのを辞めて、あたしの胸元に頭をおいて目を瞑った。
そのシュンの首筋に腕を回し、ぎゅっと抱き締めた。
「シュンが、あたしの彼氏だったらよかったのに」
なんとなく思ったことを呟いてみる。
「……って、こんなこと言ってるからちゃんとした彼氏ができないのかな」
でも、本当に思った。
こんな風に、どんな時でもあたしの側にいてくれて、あたしが辛い時には静かに慰めてくれるような、そんな人に出会いたい。
いつか、出会えるかな……
出会えたらいいな……
そう思いながらあたしは目を閉じた。