ダメ男依存症候群 EXTRA
「……あれ? 旬、何か買ってきたの?」
旬がケーキのほかに、コンビニ袋を持っていたのを見つけて、奈津美は尋ねた。
「あ、うん。ちょっとコンビニ寄ったらこれ見つけてさ。なんか懐かしかったから買ってみたんだ」
旬は袋の中身を取り出して見せた。
「なんつーんだっけ。シャンメリー? これはちょっと違うか」
瓶入りの飲料で、ラベルにはサンタクロースの絵が描いてある。
これは子供向けのパーティードリンクだった。勿論ノンアルコールだ。
「買ってきたの? あたし、シャンパン買ってきたよ? 安いのだけど……それに、ビールもあるし」
旬なら、こういうイベント事では絶対酒を飲みたがると思って、少しくらいなら、と思って、今日はシャンパンを買ってみた。
だから旬の行動は予想外だった。
「なにー? ナツ、俺を酔わせてどうする気だよぅ」
旬が目を細めてニヤニヤと笑った。
何だかこれでも十分酔っ払っているようだ。
「そういうわけじゃないわよ! ほら、冷めないうちに早く食べよ」
今日の旬は酒が入ってないくらいで丁度いいかもしれない。そう思って奈津美は旬を促した。