ダメ男依存症候群 EXTRA
「ぷはー。うまい!」
グラスを空にして、旬は上機嫌だ。
「ねえ、旬。酔ってないよね? 何かテンション高くない?」
「酔ってないよー? テンションは高いけど。まあ、そりゃ高くなるっしょ。ナツとのーたーのしいークーリスマス! なんだからさ」
後半をクリスマスソングにのせて歌い上げた旬は、シラフだとは思えない。この場合は、酒が本当に体に入ってるかどうかの違いで、あまり変わらないだろうが。
奈津美はため息をつき、二杯目をつぐ旬を見た。
「それ、おいしい?」
何気なく、旬に尋ねた。
「うん! うまいよ、甘くて。イチゴみたいな味する。飲んでみる?」
旬が奈津美にグラスを掲げて見せた。
「うん。じゃあ一口だけ貰おうかな」
久々に飲んでみたいと思い、奈津美は手を伸ばした。
しかし、その手は旬の反対側の手に取られ、一瞬で強く引き寄せられた。