ダメ男依存症候群 EXTRA

 ナツは俺の首に腕を回し、体重を俺に任せてくる。


 別に重くはないけど、やっぱりいつもと違う。


 たまにイチャイチャする時に、ナツを抱っこする時がある。

 それはいつも俺からしてるし、ナツは、いつもは多少無理な体勢になっても、俺にあんまり体重をかけてこない。

 ナツ曰く、自分が重いから嫌らしい。そんなことないのに。


 まあ、それはともかく。


 やっぱりナツは酔っ払ってる? よな?

 普段は絶対言わねえもん、抱っこなんて。


「ナツ、酔ってる?」

 試しに聞いてみる。


「んー。くふふ」

 何か笑ってる。

 これは酔っ払ってるんだな。まあ、まともな返事は返ってこないだろうなあって思ったけど。


「しゅーん」

 奈津美は笑いながら俺の胸に顔を擦りつけている。


 かっ……か、可愛い!


 何か、めったに懐かない飼い猫が懐く時って、こんな感じなのかな。

 今なら愛猫家の気持ちがすごく分かる気がする。


「ナツ、抱っこされてるのが嬉しいの?」

 自分でも顔が緩んでるのが分かる。

 きっと、今の俺はでれーっと鼻の下が伸びてることだろう。


「うん。旬の抱っこ、好き」

 ナツは笑顔で満足そうに言った。


「そっかあ」


 可愛い。可愛すぎるよ、ナツ。


 もう、ナツが積極的じゃなくてもいいよ。

 こうして甘えてくるだけでも、物凄くイイ!

 こんなナツを見ることなんて、もう二度とないんじゃないだろうかと思う。


 だから今日は、このまま楽しもうかな♪


「旬……」

 ナツはモゾモゾ動いて、俺と向かい合うように体勢を変えた。

 驚いたことに、脚をガバッと開いて、俺を跨いで座る。体は、更に密着する。


 いくら脚を開いても、今日のナツはジーパンを履いてるから何も見えるものはないのは残念だけど、こんな大胆な行動に俺はドキドキした。


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