ダメ男依存症候群 EXTRA

 最初の時は、お互いにバスローブだった。


 だけど、今は俺はタオル一丁、ナツは(恐らく)布団一枚。


 あの時と同じ状況。そう、夢にまで見た、夢に見すぎて朝ヤバかったあの状況!


 しかも、今はあの時と違って、ナツの部屋。俺のカ・ノ・ジョ! のナツの部屋!


 これ以上のシュチュエーションはありますか!


 俺、もう無理だ。もう我慢できねえ!


 沖田旬、突撃します!


「ナツ……」

 俺はナツに跨った。そして、目を瞑っているナツの横顔にキスをした。


 ナツに反応は見られなかったけど、俺はもどかしくて、布団を剥ぎ取った。


「……え?」

 剥ぎ取った途端、俺は固まってしまった。


 布団の中のナツは、パジャマを着ていた。


 何で?

 上のボタンは全部きっちりと留めてあって、いつものナツみたいに全く乱れているようでもない。


 俺はナツのパジャマの裾を捲ってみた。

 上はノーブラ。これはいつもナツが寝るときはそうだ。


 下もちょっと引っ張って見てみる。


 ……履いてる。わざわざ履き替えたんだ。


 これはもう、完全にナツのおやすみスタイルだった。


「ナツ……」

 俺は諦めきれずに、ナツに覆いかぶさった。

 パジャマの裾から手を突っ込んでおっぱいを触る。そして首筋にキスをして、舌を這わせた。


 ……なのに、ナツの反応はない。

 ここまでしてるのにナツは爆睡していて、すうすうと寝息を立てている。


 何でだ。何でこうなったんだ。

 前はそのままエッチに持ち込めたのに。

 ていうか、ナツから誘ってきたのに。


 調子に乗って飲ませすぎたのか。

 あの時とは状況が全く違うからか。

 場所がナツの部屋だからか。


 ……考えてみると思い当たる節が多すぎる。


 とにかく、俺の計画は失敗。水の泡となった。


 俺はなんとも言えない気持ちで、部屋の電気を消して、ナツの隣に横になった。


 空しい。空しすぎるよ……



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