ダメ男依存症候群 EXTRA


「いい子だからお留守番しててね」

 リードは取らずにシュンの首を撫でた。


「キューン」

 散歩じゃないと分かったのか、シュンは切ない声で鳴いた。


「ごめんね。すぐ帰ってくるからね」

 あたしがそう言って玄関に向かうと、シュンもトコトコとついてきた。


「行ってくるね、シュン」

「ワン!」


 シュンに見送られて、あたしはコンビニへと出かけた。



 コンビニは、うちから歩いて五分ぐらいのところにあるから、だいたい十五分前後で帰ってこれる。


 だから、何にも問題ないと思っていたけれど……



 買い物を済ませてコンビニを出た瞬間、ポツッと水滴が頭に落ちてきた。


 えっ、雨?


 空を見上げてみると、いつの間にかどんよりと曇っていた。


 そして、地面にポツ、ポツ、と大粒の跡がついていく。


 それはあっという間にドシャブリの雨へと変っていった。

 やだ、天気予報は何も言ってなかったのに……通り雨?


 遠くの空を見てみると、少し明るかった。


 少し待ったら止むかな。

 丁度コンビニには傘も売ってるけど、コンビニの傘はビニール傘なのに結構高い。

 すぐに止むならもったいないし、ちょっと時間潰そうかな……


 そう考えていた時、ハッとあることを思い出した。


 洗濯物! 干しっぱなしだ!


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