お前、気に入った*
「なら、俺がせめて
その出産を手伝ってもいいか…?」
「ありがとう。克真………」
そうして、私は今日の夜、
必要最低限の荷物を取りに行くことにした
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終わりが近づいてきたのかもしれない。
もし、こんなことをしなければ
そんなこと考えずに幸せに暮らせて………
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深夜0時、
私はこっそりとマンションへ向かった
窓から明かりが漏れていないのを確認して
私はスペアキーでロックを解除する
だが、中に入ると人が居たんだ
男と女。
私と櫻乃の寝ていたベッドの上に
涙さえ出すことを、神様は許してくれない
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「…ありがとう…」
小さく呟いて、部屋を出た…