rainyday
「本当、キモいよねー。こいつの母親っていまだに水商売してんだってよ」
「マジかよ。年考えろよっつーの!」
「いえてる」

男どもの嫌な笑いが聞こえてくる。
いい加減キレるところだが、ここは冷静に。

「そうそう、お前知ってる?」
「なにを?」
「こいつの家、父親だけじゃなく兄貴も消えたらしーぞ。」
「逃げられてばっかだなー」
「鎖で縛ったほうがいいんじゃねー?」
「それ最高。」
「本当にやった方がいいんじゃない?……家庭崩壊の佐倉結愛さん。」

この瞬間から私の意識は飛んでいた。
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