お兄ちゃんと、秘密の恋。〔続〕
──放課後。
優衣君に言われた通り、教室で優衣君を待つ。
教室には誰もいない。
夕日が差し込んでオレンジ色になった教室がとても綺麗で、残ってよかったな、と思った。
その時、バタバタと足音がして、何事かとドアの方を見た。
『ごめんっ、遅れて…』
「…あ、優衣君…」
息を整えながら、こちらに来る優衣君。
「で、話したいことって…?」
私からそう言うと、何を思ったのか、優衣君はいきなり私を抱きしめてきた。
「ちょっ!ゆ、優衣君?!」
『あー、なんか落ち着く…』
落ち着いてもらっても困ります!!
「いきなり何するの……っ!」
手を動かして優衣君の肩を力いっぱい押して離れようとするけど、びくともしない。
それどころか、更に力を入れて私を抱きしめる。