不条理な恋でも…【完】
「ほのか…
ほのか…
ほのか?」
真っ黒な世界を逃げ惑う私に誰かの声と身体の揺さぶりを感じて、
徐々に覚醒し始める。
「大希さん…」
瞼を少しだけ持ち上げると、目の前に手紙はなくなっていた。
やっとやっと怖い物から逃れられて…
心底ほっとした。
魂まで抜き取られた私の意識は、ぼーっとしてはっきりしなかった。
また瞼を伏せ、ゆらゆらとした意識の中を彷徨う。
ここなら安心…
しばらくそうして漂っていたのに
突然、腰をゆっくりと、でも強引に引き寄せられ、温かい躰に密着する。
はっとして何が起こったのかわからなかった私は
瞼を持ち上げ、その胸の中で温かい躰の主を
ぼんやりと見上げ目を合わせる。
辺りはまた真っ黒な世界になっていて、
それに気が付き怯えて震え始める私の前に
浮かび上がる様に白く見えた大希さんの瞳は
躰を粉々にされそうなほど強かった。
その瞳に、何もかも呑み込まれ、私に向かって距離を縮めてくる…
ああ~来るの????
吐く息がかかる位近づく端正な顔に、私は思わず瞼を閉じて唇を噛みしめた。
視界が真っ暗になったのと同時に噛みしめた唇にそっと何かが触れた…
そう、触れるものは一つしかない…
私の心臓は破裂してしまうのではないかという程の勢いで鼓動を刻み続けた。
ほのか…
ほのか?」
真っ黒な世界を逃げ惑う私に誰かの声と身体の揺さぶりを感じて、
徐々に覚醒し始める。
「大希さん…」
瞼を少しだけ持ち上げると、目の前に手紙はなくなっていた。
やっとやっと怖い物から逃れられて…
心底ほっとした。
魂まで抜き取られた私の意識は、ぼーっとしてはっきりしなかった。
また瞼を伏せ、ゆらゆらとした意識の中を彷徨う。
ここなら安心…
しばらくそうして漂っていたのに
突然、腰をゆっくりと、でも強引に引き寄せられ、温かい躰に密着する。
はっとして何が起こったのかわからなかった私は
瞼を持ち上げ、その胸の中で温かい躰の主を
ぼんやりと見上げ目を合わせる。
辺りはまた真っ黒な世界になっていて、
それに気が付き怯えて震え始める私の前に
浮かび上がる様に白く見えた大希さんの瞳は
躰を粉々にされそうなほど強かった。
その瞳に、何もかも呑み込まれ、私に向かって距離を縮めてくる…
ああ~来るの????
吐く息がかかる位近づく端正な顔に、私は思わず瞼を閉じて唇を噛みしめた。
視界が真っ暗になったのと同時に噛みしめた唇にそっと何かが触れた…
そう、触れるものは一つしかない…
私の心臓は破裂してしまうのではないかという程の勢いで鼓動を刻み続けた。